店舗や企業の看板は、集客やブランドイメージに大きく影響を与えるため、デザインや設置場所だけではなく、メンテナンス性も重要です。
看板は時間とともに劣化するため、どの種類・素材を選ぶかによって、メンテナンスの手間が大きく変わります。
この記事では、代表的な4種類の看板文字【LEDチャンネル文字】【箱文字】【金属切文字】【カルプ切文字】のメンテナンス性について詳しく比較します。
それぞれの違いについては以下の記事をご覧ください。
関連記事チャンネル文字とは?箱文字、切文字、カルプ文字との違い解説
なお、この記事における《メンテナンス》とは看板を「綺麗に使うためのもの」です。「安全に使うためのもの」である、屋外広告物法・条例による義務の《点検》とは別物です。ご注意ください。
目次
各種看板文字のメンテナンス性の特徴

まずは各種看板文字のメンテナンス面の特徴をご説明します。
LEDチャンネル文字の特徴
LEDチャンネル文字は、主にステンレスとアクリルを組合せた立体文字で、内部にLEDモジュールを組み込み、夜間でも鮮明に視認できるのが特徴の、非常に人気が高い看板文字です。
LEDの寿命は約40,000~50,000時間(点けっぱなしで約5年)だといわれているため、LED点灯のチェックや、必要に応じて交換が必要になります。特に屋外で使用する場合は、電気系統の点検を行なうのが望ましいです。
目視で確認できる問題がなければ、義務点検時にチェックするケースが多い傾向にあります。
箱文字の特徴
箱文字は、主にステンレスを曲げたり溶接したりして作られる立体文字です。チャンネル文字と同じものですが、弊社では、内部にLEDを仕込んで発光するものを「チャンネル文字」、LEDは使用せず発光しないものを「箱文字」として区別しています。
メンテナンスにおいては、LEDチャンネル文字とは違ってLEDや電気系統のメンテナンスは必要ありませんが、外装部分の汚れの清掃や傷のチェックは必要です。
海沿いの場所など、塩害の影響を受けやすい地域では頻繁なメンテナンスが必要となる場合もありますが、ステンレスが耐久性・耐候性に優れているため、メンテナンス性は高い看板文字だと言えます。
金属切文字の特徴
金属切文字は、主にステンレスなどの金属板を文字の形にカットして作られた看板文字です。
メンテナンス面では、箱文字と同様、ステンレスが耐久性・耐候性に優れているため、屋内での使用時はほとんどメンテナンスが不要です。屋外設置でもかなりの長期間使用することが可能です。ただし、当然ながら埃や汚れは付着するため定期的な清掃は必要です。
また、ステンレスが酸化することはほとんどありませんが、湿度が高い地域や海辺などでは、軽微なサビや変色が見られる場合があります。全く錆びないわけではないのでご注意ください。
カルプ切文字の特徴
カルプ切文字は、発泡樹脂のカルプボードを文字の形に切り抜いて作られた軽量で安価な文字です。施工が簡単で、コストパフォーマンスに優れています。
カルプ文字は、屋外に設置することもできますが、紫外線や雨風に弱く、色あせやひび割れが進行しやすいです。そのため、屋内で使用されることが多く、屋外使用の場合はUVカット塗装を施すなどの対策が必要です。
メンテナンスは定期的に汚れを拭き取るだけですが、屋外設置では劣化が早く進むため、劣化の確認、必要に応じて交換は必要になります。しかし、安価なため、短期間の使用やイベント用看板には非常に便利です。
メンテナンス性による各種看板文字比較

清掃のしやすさ
金属切文字はフラットな形状のため、汚れが付いても拭き取りやすく、メンテナンスが簡単です。また、埃や泥汚れがついても乾拭きで落とせることが多いです。
一方、LEDチャンネル文字や箱文字、カルプ文字は立体的で奥行きがあるため、埃や雨水が溜まりやすく、清掃が少し手間になります。特に、LEDチャンネル文字や箱文字は、内部や接合部に汚れが溜まりやすいので、定期的な清掃が望ましいです。
なお、LEDチャンネル文字の内部のLEDテープライトは防水のため、チャンネル文字の中に水が入っても問題ありません。デザインやサイズ、構造によっては、中に入った水が出る穴「水抜き穴」が設けられる場合もあります。
電気系統のメンテナンス
LEDチャンネル文字は、電気系統のメンテナンスが必要です。内部に組み込まれたLEDモジュールの寿命は、メーカーや使用環境にもよりますが、弊社の設計寿命は5年で、特に屋外設置では湿気やホコリの影響を受けやすいため、電源部や接続部分のチェックを行なうのが望ましいです。
LEDや電源ユニットなど電気系統が故障した場合は、専門業者による対応が必要になるケースもあり、修理費用が高額になる可能性があります。
箱文字や金属切文字、カルプ切文字には、電気系統が関わらないため、その点におけるメンテナンスは必要ありません。ただし、夜や暗い場所で使用する場合は、看板のライトアップが必要になるため、電気系統のメンテナンスが必要になります。
耐久年数・劣化のしやすさ
耐久性が高いとされる金属切文字やLEDチャンネル文字、箱文字でも、使用環境や設置場所によっては劣化が早まることがあります。例えば海沿いのエリアでは、塩害の影響で金属部分が錆びることがあるため、定期的に表面のチェックと清掃が求められます。
カルプ切文字はコストが低いため、耐久性の面では他の素材に劣ります。紫外線や雨風に晒されると、色あせやひび割れが早く進むため、数年で交換が必要となることが多いです。屋内で使用する場合は非常に長持ちしますが、屋外では数年ごとに再塗装や交換が求められます。
修理・交換のしやすさ
箱文字・金属切文字・カルプ切文字は、万が一の損傷でも部分的に交換することができ、素材の種類や加工方法によっては比較的容易に修理が可能です。
LEDチャンネル文字も基本的には部分的な交換が可能ですが、構造によっては部分的な交換が不可能だったり、電気系統が絡む場合、専門業者への依頼が必要になるケースもあります。
ただし、箱文字・金属切文字・カルプ切文字も、夜や暗い場所で使用する場合はライトアップすることになるため、ライトの電気系統の修理・交換が必要になる場合があります。
LEDチャンネル文字・箱文字・金属切文字は弊社でお取り扱いしております。無料でお見積りできますので、ご気軽にご相談ください。
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メンテナンスコストの比較

メンテナンス費用
LEDチャンネル文字の場合、電気系統やLEDモジュールなどのメンテナンスに専門業者が必要なケースがあり、メンテナンス費用が高額になる可能性があります。
金属切文字や箱文字の場合は、メンテナンス費用が比較的低いですが、外部環境にさらされる場所ではサビや汚れが目立つため、定期的に清掃を行うのが望ましいです。
故障・劣化時の修理費用
故障時の修理費用は、LEDチャンネル文字が最も高額になりやすいです。LEDモジュールや電源ユニットの交換が必要となる場合、数千円から数万円の費用がかかることもあります。
カルプ切文字は比較的安価で対応が可能ですが、修理をおこなっていない業者もあり、修理ではなく交換となるケースもあります。
長期的なコストパフォーマンス
金属切文字や箱文字は、初期投資が高くなることがありますが、耐久性が高いため、長期間使用することができ、ランニングコストも不要で、メンテナンス費用も少なく済むため、長期的なコストパフォーマンスは非常に優れています。
カルプ切文字は、比較的耐候性が低いと言えますが、短期間や屋内使用であればデメリットを感じることはほとんどないと言えます。
LEDチャンネル文字は電気代やメンテナンス費用がかかるため、長期的に見てコストがかさみやすい一面があります。その一方で集客効果が非常に高く、数多くの店舗や企業が導入している看板文字でもあります。
メンテナンス性を考慮した看板選び

設置期間と場所の環境を考慮する
看板を設置する期間、場所の環境によって、選ぶべき素材やタイプが変わります。
海沿いや湿度の高い場所、雨風の強い地域では、耐腐食性の高いステンレス製の看板が適しています。
短期間や屋内の設置であれば、リーズナブルなカルプ切文字が最もコストパフォーマンスが高いケースも考えられます。
メンテナンス業者との連携体制
設置後のメンテナンスがスムーズに行えるよう、信頼できる業者との連携が欠かせません。
特にLED照明付きの看板は、業者によるメンテナンス体制を整えておくことが、安心して長期的に使用するために重要になります。
コストとデザイン性のバランス
デザイン性を重視するあまり、メンテナンス性が犠牲にならないように注意しましょう。
ただし、店舗看板の場合、最も重要なのは集客力です。コストとデザイン性、そして集客力、何を重視するのか、バランスを取ることが重要です。
まとめ|長く美しく使える看板文字を選ぶ
看板の選定において、メンテナンス性は重要な要素の一つです。
LEDチャンネル文字は、視認性と集客力は抜群ですが、電気系統のメンテナンスが必要です。
金属切文字や箱文字は、長期的な耐久性が高く、屋外設置にも強いですが、夜間はほとんど見えません。
カルプ切文字はリーズナブルですが、紫外線や湿気に弱いため、使用環境に合わせた選択が求められます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、選定に際しては、設置場所や使用環境を考慮し、メンテナンス性とコストパフォーマンスを総合的に判断することが大切です。どのタイプを選んでも、定期的なメンテナンスを行うことで、看板の美しさを保ち、長期間にわたって効果的に機能させることができます。